ネイチャーフォトの可能性を感じながらも写真業界と登山業界を繋げられない

ネイチャーフォトの未来 仕事
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ネイチャーフォトや山岳写真を仕事にしていて、不思議に思うこと。それは美しい写真を撮るための最速理論のプロセスの情報がほとんど出回っていないこと。

これは私が仕事として山岳写真を撮影してる経験から感じていることで、山岳写真というのはいかにスムーズかつ安全に登山をする技術を習得して撮影機会を増やすのが重要なのです。質を求めるのはそれから。

つまり登山と写真撮影の複合技術が必要ということ。

しかし面白くらいにこの2つが分断されて情報発信されています。もう国境があって国交断絶しているのかと思うくらいに。

登山メーカーとカメラメーカーが協同でコンテンツ作ったら凄いことになるのにな、というお話です。これは私が勝手に思っていることなのでその点ご了承ください。

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山岳写真の技術書は撮影技術に偏りすぎている

知識が偏っている

最近山と渓谷社さんが出した山岳写真の本を読みました。

充実している内容で写真を上手りたい人にはオススメできる内容です。ただこれを読んだからといってほとんどの人は山岳写真が上手くはならないなと感じました。

理由は単純で登山者を対象にしている撮影技術書だから。山で写真撮るんだから山に機材背負って登れるのは当然でしょ?というスタンスです。

言い換えると、「普通の登山者よりも重量を背負いタイトな撮影・山行スケジュールをこなせる体力と筋力が必要十分であり、かつリスクマネジメントが完璧な人のための本」です。

良い悪いは関係なく、現状の山岳写真というのはそういうものなんです。現場主義っていうんでしょうかね…。

背景としては登山のメディアは基本的に既存の登山人口のパイを食い合っている現状。山と渓谷さんなど歴史あるメディアほど顕著。他のメディアも基本的なコンテンツの違いはないです。

つまり登山者未満(写真愛好家)を登山者にするアプローチがないんです。そういうコンテンツを持っていないから。それを堅実にやっているのは山歩みちさんくらいかなと思います。

なので山に登ったことがない人への山岳写真技術本というのは企画の段階で蹴られる可能性が高そうですね。

このあたりで悶々としている山岳写真家さんは多そう。

写真業界は山岳写真のためのコンテンツを作るのは難しい

カメラ業界が山岳写真のコンテンツを作るのは難しい

カメラメーカーも製品のプロモーションでネイチャーフォトや山岳写真をたくさん出します。それこそソニーのαなんてネイチャーフォトグラファーをメインにするプロモーションすることもありますしね。

当然「あんな写真撮りたい!」と思ってカメラを買う人が出てきます。プロカメラマンを使ったプロモーションとはそういうものです。

ただネイチャーフォト、特に山岳写真に関しては別枠。だって登山9割・撮影1割の世界だもの。

山岳写真において登山の知識と経験がないというのは教習所に行かずに車を運転するくらい無謀。運良くいい写真が撮れたとしても、信号無視や逆走しながら目的地にたどり着いたようなものなので、事故を起こす確率が登山経験者の比じゃありません。

ホンキで危ないので私もおすすめしかねます。

なぜそのような情報が発信されないのかというと「ネイチャーフォトするにはカメラの前に登山の装備しっかり揃えてね」と言わざるを得ないから。

そんなコンテンツ作ったら最悪背任行為になるかもしれない…(‘A`)

無難な着地として危険なところに行くのは自己責任だよ、という考え方になります。日本は自己責任大好きですよね。

でもビジネスで考えればカメラが売れればいいわけで、その後はコンテンツを作るのはコストパフォーマンスが悪いというのも納得。構造上しかたないよねと思っています。

登山と写真は両方とも売上落としてる

カメラの売上推移

ここからが本題。現状の登山業界は2009年をピークに1200万人から700万人に右肩下がり、カメラの売上はもっと顕著で売上が10年で1億台から1000万台と1/10まで縮小しています。

カメラの売上推移はCIPAが公表しているデータからグラフ化しました。

登山人口は引用できる画像がないので気になる方はレジャー白書をご参照ください。

どちらも明るい未来を描くことができない…(‘A`)

写真はより身近な存在になった

写真の需要は上がってきている

でもちょっとまってほしい。カメラの売上は落ちてても写真の需要はむしろあがってないか?TwitterだったりInstagramだったり…。

たいていのカメラはスマホに食われた結果ですけど、要は写真の市場が物売りからコト売りに変化したということ。写真が身近になったことはすごくいいことだと思います。

入り口はスマホであっても「もっと写真うまくなりたい」「こういう写真が撮りたい」という要望に対してビジョンを提供して一眼レフやミラーレス一眼の魅力を伝えるのが私達プロのお仕事なのかなと思います。バッチコイ。

カメラの在り方は変わるかもしれませんが、写真という分野はこれからの伸びていくんじゃないかなと思います。

問題はこの次の展開

軽い気持ちで迂闊に危険はことをしてしまう

知らずに危険なことをしてしまう

写真って楽しいんですよ。

いい写真撮れれば嬉しいし、Twitterにアップすればみんな喜んでくれるし、お仕事につながるしれない淡い期待を持つことができます。実際そういう方もいらっしゃいますしね。

まさにテクノロジーによるイノベーション。

カメラの性能が良くなり、初心者でも写真を撮る確率は劇的に上がっています。しかしその中で競争するとコンテンツがどんどん加熱していってしまいます。「もっと撮れ高のいいやつ!」「いいねがたくさんつくやつ!」と。

YOUTUBEがいい例ですね。

そうなるといい写真が撮れるからと気軽に山に入って行ってしまうのです。登山の経験がないにも関わらず。

ここで先程出てきた自己責任。「どこに撮影にいこうとも勝手でしょ」。

確かにその通りで法律には抵触していません。ただそれは交通ルールも知らず、運転経験もないのに自動車で遠出をするくらい危険。それに気づいてない人があまりに多いんです。

でもしょうがないんです。だって教えてくれる人いないんだもん…(‘A`)

山に登りたくて登っているのではなくて、写真を撮りたいから山に登るのであって登山の情報にアンテナ立てられないのは仕方のないことなのかなと思っています。

このようなユーザーに対して情報発信していて、かつ多くの人にリーチできる企業・個人がいないのです。

誰かやってお願い。やってくれたらイチゴ味のジョアあげちゃう。

誰もが山岳写真を楽しめるコンテンツはビジネス視点でもアリではないか

登山と写真の企業協力

登山人口は減っている、カメラ売り上げは激減している。

でも登山で写真を撮らない人はまずいない、写真の業界の伸びている(Twitter・Instagram・VEROなど)

つまり「写真」というフックを使ってコンテンツを作れば登山もカメラ業界もワンチャンあるんですよ。どれだけ魅力的なユーザー体験を作れるかの勝負です。

登山で写真撮らない人の方が珍しいですからね。相性抜群。

ここはまだデータ不足ですけど、写真がコト売りの属性が強くなったことから「山岳写真を撮るための登山技術」という需要がすごく高くなっていると感じています。

撮影機材パッキングとか歩行技術、リスクマネジメント、タイムスケジュールやライティングの概念などなど。

「登山からの写真撮影」ではなく「写真撮影からの登山」という今までにないプロセス。そこの需要を上手く汲み取れないかなと思いました。

…あれ?これコンテンツ作ったらバズるんじゃない?めっちゃ盛り上がるんじゃない?

今こそ登山業界とカメラ業界がタッグを組むときがきた!とりあえず生き残るための一時的な協力でもいいじゃない。

片方の業界ですべてを完結しようとすると問題が起きるので、もう一緒にやっちゃいなよ!という考えになりました。山岳写真で役に立たないコラボバッグなんて作ってる場合じゃないよ!一緒にネイチャーフォトのコンテンツをつくるのだ!

…とお互いビジネス面でのベネフィットがありそうなところを探して登山と写真の業界をうろちょろしているのが最近の私です。

ただ「カメラの前に登山のギア買うべき」という当たり前のコトでも表に出すことはできない世界観(いずれは変えたい)であることは間違いないので、「撮影のために山に入って痛い目を見た人」のためのコンテンツを作りました。

そのテストマーケティングとして「アウトドアメーカー✕ネイチャーフォトグラファー✕山岳ガイド」で真面目に山岳写真を考えてみようというセミナーが誕生したわけです。…カメラメーカーさんは絡んでくれませんでしたけどね(‘A`)

個人的には登山と写真を専門としている立場として事故を減らしたいという立ち位置です。

それでもカメラメーカーさんの動きは鈍い

写真業界のアウドドアへの関心は低い

山岳写真は登山が9割、写真が1割という考え方をしているので、私はネイチャーフォトグラファーでありながらガッツリ登山業界寄りです。だってそうでしょ?9割登山なんだもん。

ちなみに仕事で登山業界と写真業界横断しているのはけっこう珍しいとは言われてます( ・ㅂ・)و ̑̑

現状色々なカメラメーカーさんとコミュニケーションは取っていますけれど、壁の高さを感じます。けど登山業界方面動いてくれそう、そんな感覚値です。

私が日本で頑張っても所属が海外なので全く関係ないんですけど、やっぱり母国ですし打開策はないかなと悶々としている毎日です。国内では匿名で活動していて、どこかのメーカーに与する気もがないのも原因かもしれませんね。

そのあたりまだまだ子供だよね私(‘A`)

言い訳すると知名度とかブランドで事業を作るの好きじゃないんです。経験上、構造的なベネフィットがないと継続性がなくなり先細りしてクローズしてしまうのです。

でも諦めるという選択肢はないので、これからも頑張っていきます。すべては日本全国民がナイスネイチャーを楽しむために。

山岳写真も登山技術もガッツリやるぞ!というメーカーさんがいらっしゃったら声かけてくれるととても嬉しい。頑張っちゃう。

イチゴ味のジョアあげちゃうよ。

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